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まず安全と、法律で決められた措置:写真はそのあと
交通事故には、人がけがをした事故だけでなく、物が壊れただけの物損事故も含まれます(道路交通法第67条第2項は、「車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊」を「交通事故」と定めています)。事故にかかわった運転者などには、道路交通法第72条で、次のことが義務づけられています。
- 直ちに運転を止める。
- けが人を救護する。けががあれば119番で救急車を呼びます。
- 道路における危険を防止する。後続車に事故を知らせる、車を安全な場所に移す、などです。
- 警察官に報告する。現場に警察官がいなければ、直ちに最寄りの警察署(交番・駐在所を含む)に、事故の日時と場所、死傷者の数と負傷の程度、壊れた物とその程度、事故について講じた措置などを報告します。報告は電話(110番)でもかまいません。
これは物損事故でも同じです。危険防止の措置をせずに立ち去ると、物損事故でも1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金(第117条の5)、警察に報告しないと3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金(第119条第1項第17号)の対象になります。人がけがをした事故で救護をしなかった場合は、さらに重い罰則があります(第117条)。
写真は、こうした措置を済ませてから撮ります。日本損害保険協会も、事故のときの状態を残すことはすすめられているものの、場所によっては通行の妨げや二次的な事故につながるおそれがあるとして、安全な場所まで車を動かし、必要に応じて発煙筒や三角停止板で事故を知らせるよう案内しています。
写真を撮るために車道に出たり、車の後ろに立ち続けたりしないでください。安全に撮れる状況でなければ、現場では撮らなくてかまいません。記録は、ドライブレコーダーの映像、避難したあとのメモ、後から撮る写真で補えます(写真を撮り忘れたとき)。
安全に撮れるときだけ、動かす前に数枚
JAF は、危険防止のために事故車を安全な場所に移すときも、後で事故現場がわからなくならないように配慮する必要があるとしています。交通量が少なく、安全が確かめられる場合は、車を動かす前に、2台の位置関係がわかる写真を数枚だけ撮っておくと、後の説明に役立ちます。危険なら、撮らずに移動と避難を優先してください。
高速道路で事故が起きたら
- 本線車道や路肩に立たない。警察庁は、事故や故障のときは後続車への安全措置をとった後に、ガードレールの外側など道路外の安全な場所に避難し、本線車道上に安易に立たないよう強く呼びかけています。忘れ物を取りに車に戻るのもやめましょう。
- 停止表示器材を置く。高速道路の本線車道やその路肩などで車を運転できなくなったときは、停止表示器材(三角表示板など)で停止していることを表示することが、法律で義務づけられています(道路交通法第75条の11、同法施行令第27条の6)。ハザードランプもつけます。
- 避難してから通報する。携帯電話や非常電話で通報し、レッカーなどは専門家に依頼します。
- 写真を撮るために本線や路肩を歩かない。高速道路の事故では、現場の写真は無理に撮らず、ドラレコの映像と、避難したあとのメモで記録します。
事故の写真が大切な理由
事故の後の損害賠償の話し合いでは、「どちらにどれだけ落ち度があったか」(過失割合)が問題になりやすくなります。過失割合は、警察が決めるものではありません。法律事務所の解説では、警察は「民事不介入」なので過失割合を決めることはなく、当事者双方が任意保険に入っている場合は、双方の保険会社が過去の裁判例を基準に話し合って決める、とされています。
話し合いは、事故から日がたってから行われます。日本損害保険協会は、主張の食い違いを防ぐため、記憶が鮮明なうちに状況を記録に残し、事故直後に写真で記録しておくことも有効だとしています。
物損事故と人身事故で、警察の記録はどう違うか
日本損害保険協会は、警察官の立会いで現場の状況が確認され、人身事故の場合は「実況見分調書」として記録に残ると説明しています。法律事務所の解説によると、実況見分調書は、車両の停止位置、衝突地点、ブレーキ痕の長さ、信号の色などを記録した公文書です。一方、物損事故(物件事故)では簡易な物件事故報告書が作られるだけで、実況見分は行われない傾向があるとされています。
つまり物損事故では、事故の様子を詳しく示す警察の記録は残りにくいのです。警察が現場で写真を撮ることがあっても、それをあてにせず、自分でも写真・ドラレコの映像・メモを残しておくことが大切です。
| 区分 | 扱いになる場合 | 警察の主な記録 | 自賠責保険 |
|---|---|---|---|
| 物件事故(物損事故) | けが人がいない | 簡易な物件事故報告書(法律事務所の解説) | 対象外(自賠責保険は人身の損害だけが対象) |
| 人身事故 | けががあり、医師の診断書を警察に提出した | 実況見分調書 | 対象 |
事故の直後はけがをしていないと思っても、後から症状が出ることがあります。けががある場合は、早めに医療機関を受診し、診断書を警察に提出すると人身事故の扱いになります。日本損害保険協会も、治療が必要なら受診したうえで人身事故の扱いに切り替えてもらうことが大切だとしています。
交通事故証明書は、警察に届けた事故だけ
交通事故証明書は、自動車安全運転センターが、警察から提供された資料をもとに、交通事故の事実を確認したことを証明する書面です。保険金を請求するときに必要になります。
- 警察に届け出ていない事故には発行されません。日本損害保険協会も、軽微な事故でも警察への届出を行うよう案内しています。
- 人身事故は事故から5年、物件事故は事故から3年を過ぎると、原則として交付されません。
- 手数料は1通1,000円です(ほかに払込みの手数料がかかります)。ゆうちょ銀行・郵便局での払込み、センター事務所の窓口、インターネットで申請できます。
証明書は事故の事実を確認したものです。事故がどのように起きたかの詳しい様子は、写真やドラレコの映像などで補う必要があります。
事故現場で撮るもの(チェックリスト)
保険会社・日本損害保険協会・JAF の案内をもとに、撮るものをまとめました。動いたり消えたりするもの(車の停止位置、路面の破片、相手の車)を先に、信号や交差点のように後でも撮れるものを後にすると、撮り漏れが減ります。
| 場所 | 撮るもの | 撮り方のコツ |
|---|---|---|
| 車の停止位置 | 事故の後に止まった位置、2台の位置関係 | 安全なときだけ、動かす前に前後左右から数枚。危険なら撮らずに移動を優先する |
| 路面 | ブレーキ痕(スリップ痕)、ガラスや部品の破片・塗料片が散らばった範囲、オイルの跡 | 位置がわかる引きの写真と、長さがわかるよう車の幅やメジャーと一緒に |
| 相手の車 | 損傷の全体とアップ、ナンバープレート、車種・色 | 後方からナンバーを含めた全体を撮り、損傷箇所を中心に3方向から。わかりにくい損傷はアップで |
| 自分の車 | 損傷の全体とアップ、ナンバープレート、相手の車の塗料が付いた跡 | 相手の車と同じ撮り方。へこみの高さがわかるよう、地面から写る引きの写真も |
| 信号・標識・路面標示 | 信号機、一時停止の標識と停止線、横断歩道、制限速度、車線や矢印の標示 | それぞれの車が進んできた方向から見た向きで撮る。信号の色が変わるところは、動画で残すとわかりやすい |
| 交差点・道路の全体 | 道路の形、車線の数、見通し(建物・植え込み・駐車車両)、住所表示や目印になる建物 | 双方の進んできた方向から、運転席の目の高さで、相手が見えたかどうかがわかるように |
| 天候・明るさ | 雨・雪、路面の濡れ、街灯、逆光、工事の有無 | 空や周りを含めて撮る。夜は照明の状況がわかるように |
| 相手の書類 | 運転免許証などの身分証明書、車検証、自賠責保険・任意保険の証明書や証券 | 必ず相手の同意を得てから撮る。撮れなければ必要な事項をメモする |
| 目撃者・周りの記録 | 目撃者の氏名・連絡先、近くの防犯カメラの位置 | 名前と連絡先はメモ。防犯カメラは、場所がわかるように撮っておくと後で問い合わせやすい |
| ドライブレコーダー | 事故の前後の映像 | 写真ではなく、映像を上書きされる前に保存する(次の節) |
撮り方のコツ
- 安全な場所から、短時間で。歩道や路肩の外など、車が来ない場所から撮ります。夜や雨のときは無理をしないでください。
- 「引き」と「寄り」を1組で撮る。損傷のアップだけでは、車のどこの傷か、どちらの車の傷かがわかりません。東京海上日動は、修理に出す前の車について、後方からナンバープレートを含めた全体、損傷箇所を中心に3方向、わかりにくい損傷はアップ、の順で撮るよう案内しています。
- 大きさと高さがわかるように。メジャーや定規を添えると、損傷の大きさや地面からの高さが伝わります。
- 双方の進行方向から撮る。交差点では、自分の車と相手の車が来た方向のそれぞれから、運転席の目の高さで見通しを撮っておくと、「相手が見えたか」を説明しやすくなります。
- 時刻の自動設定を確かめる。スマホの時計を手動で合わせていると、撮影日時がずれて記録されます(写真の日付を証明するには)。
- 加工しない。トリミングや明るさの補正、フィルターは使いません。見やすくしたいときは、必ずコピーに対して行います(証拠の写真を「加工した」と疑われたら)。
- 見取図とメモを書く。日本損害保険協会は、事故の日時・場所、事故が起きるまでの経緯、現場の見取図(天候、路面の状況、見通し、通行量、信号の有無、工事の有無など)を残すよう案内しています。写真の番号を見取図に書き込んでおくと、どの写真がどこから撮ったものかがわかります。
- 元のファイルを2か所以上に保存する。スマホの中の撮影したままのファイルを、パソコンや元の画質で保存されるクラウドにも残します。
「引き」と「寄り」、元のファイルの残し方は、賃貸の入居時の写真の撮り方と考え方が同じです。
相手の情報と目撃者を確かめる
日本損害保険協会は、相手の氏名・住所・連絡先、加入している自賠責保険・自動車保険の保険会社名と証明書番号、業務中の事故なら勤務先と雇主の連絡先、車の登録番号(ナンバー)を控えておくよう案内しています。メモを取れないときは、名刺をもらう、相手の同意を得たうえで身分証明書などをスマホで撮影させてもらうことも手段の一つだとしています。
目撃者がいれば、氏名と連絡先を聞き、必要なら後日に証人になってもらえるよう頼んでおきます。第三者の証言は、示談交渉などで客観的な判断材料になります。
撮影させてもらった免許証などの画像には、相手の個人情報が写っています。保険会社など必要な相手にだけ渡し、SNS に載せたり、関係のない人に見せたりしないでください。
その場で示談しない。日本損害保険協会は、事故の直後に相手とその場で示談交渉やお金の受け渡しをすることは控えるよう呼びかけています。示談は口頭でも成立し、一度示談すると内容を変えられないためです。保険を使う可能性がある場合に、保険会社の承認なく示談や約束をすると、保険金の一部または全部が支払われないことがあります。
ドライブレコーダーの映像を残す
ドライブレコーダーは、多くの場合、古い映像から順に上書きしながら録画を続けます。日本損害保険協会は、事故のときのデータが上書きされないように、SD カードを抜くなどの対応を忘れずに行うよう呼びかけています。
- 端末の所定の操作で、事故の映像を保存する。保存のしかたは機種によって違います。取扱説明書を確かめてください。
- 安全な場所で、SD カードなどを抜く。抜いたカードは、ほかの録画に使わずに保管します。
- パソコンなどにコピーする。事故の瞬間だけでなく、前後の数分も残します。前方・後方・車内のカメラがある場合は、すべての映像を保存します。
- 元のファイルを編集しない。提出用に切り出すときは、コピーに対して行います。保険会社への送り方は、保険会社の案内に従ってください。
- 相手や目撃者のドラレコも、保存を頼む。
PEA は動画を鑑定できません。ドラレコの映像は、元のファイルのまま保存しておいてください。
写真を撮り忘れたとき
- ドライブレコーダーを確かめる。撮り忘れた写真の代わりになる、いちばん大きな手がかりです。上書きされる前に保存します。
- 修理に出す前に、自分の車の損傷を撮る。東京海上日動は、修理工場に預ける前に損傷の写真を撮っておくことをすすめています。車を修理するときは、必ず事前に保険会社に連絡してください。修理工場の見積書も、損傷の箇所と程度を示す資料になるので保管しておきます。
- 後日、現場に行って撮る。道路の形、信号・標識、見通しは後からでも撮れます。事故と同じ時間帯に、安全な場所から撮りましょう。事故当日の写真ではないので、いつ撮ったものかを書き添えて出します。
- 近くの防犯カメラに早めに問い合わせる。日本防犯設備協会の調査では、録画の保存期間は、小売業で1週間、サービス業で2週間、集合住宅で3週間などの例が挙げられています(聞き取りによる目安)。見せてもらえるかどうかは施設の判断なので、断られたときは警察に相談してください。
- 目撃者を探す。
- 記憶が新しいうちにメモと見取図を書く。何時ごろ、どこを、どの方向に、どのくらいの速さで走っていたか、信号の色、相手の動きを、時系列で書きます。
- 警察に届け出ていなかったら、すぐに届け出る。届出がない事故には、交通事故証明書が発行されません。
当て逃げされたとき
当て逃げとは、物損事故を起こしたのに、危険防止の措置や警察への報告をせずに現場から立ち去ることをいいます(人身事故で立ち去る場合は「ひき逃げ」)。立ち去った運転者は、道路交通法第72条の義務に違反したことになります。
- 安全を確保する。走り去った車を追いかけないでください。
- 相手の車の特徴を記録する。車種・色・ナンバー・運転者の特徴を、撮影するかメモします。ナンバーの一部だけでも書き留めます。
- 動かす前に、自分の車と周りを撮る。駐車していた位置、駐車場の区画番号、損傷の全体とアップ、損傷の地面からの高さ、相手の車の塗料が付いた跡(色)、地面に落ちた破片を撮ります。
- 警察に届け出る。被害の大きさにかかわらず、気づいた時点で警察に届け出ます。保険金を請求するときには交通事故証明書が必要になるためです。レンタカーやカーシェアの車の場合は、会社にもすぐ連絡します(レンタカー・カーシェアの傷の写真)。
- 保険会社に連絡する。車両保険で補償されるかを確かめます。
道路交通法の「道路」には、道路法上の道路などのほか、一般の交通に使われる場所も含まれます(第2条第1項第1号)。駐車場がこれにあたるかは、場所の状況によって判断が分かれることがあります。どこで起きた場合でも、まず警察に届け出て相談してください。
当て逃げで証拠がないとき
- それでも警察に届け出る。届け出ておけば、交通事故証明書を申請でき、保険の手続きに使えます。
- 時間の幅を絞る。いつ駐車し、いつ損傷に気づいたかを書き留めます。駐車券やレシートなど、時刻がわかるものも残します。
- 自分のドラレコを確かめる。駐車中も録画する機能(駐車監視)がある機種で、設定と電源が有効になっていれば、映像が残っていることがあります。
- 周りの防犯カメラを早めに確かめる。店舗や駐車場の管理者に、防犯カメラの映像を見せてもらえないかお願いする方法があります。保存期間が短いので、気づいたらすぐに問い合わせます。
- 損傷そのものを詳しく撮る。損傷の高さ・形・こすれた方向、付いた塗料の色は、どんな車が、どの方向から当たったかの手がかりになります。
国の「政府保障事業」は、物損の当て逃げには使えません。政府保障事業は、ひき逃げや無保険車による事故の被害者に、国が自賠責保険と同等の損害を塡補する制度で、自賠責保険は人身事故の対人賠償だけが対象です。人がけがをした「ひき逃げ」の場合は、119番・110番に連絡し、政府保障事業について損害保険会社の窓口に相談できます。
車両保険で補償されるか
- 日本損害保険協会は、車両保険には補償範囲を限定したタイプがあり、あて逃げなどの「相手自動車が確認できない場合」の損害を補償しないタイプを選んでいると、保険金は支払われないと説明しています。保険会社によって選べるタイプや補償内容は異なります。
- 保険証券や約款で契約内容を確かめ、わからなければ保険会社に問い合わせてください。
- 車両保険を使うと、翌年の等級が下がり、保険料が上がることがあります。修理の見積額と、保険料が上がる分を比べて決めましょう。
写真の日付を「遅くとも」で固定する
事故の写真は、後から「本当に事故の日に撮ったのか」「修理の前の状態なのか」と聞かれることがあります。スマホの撮影日時は端末の時計の記録で、後から変更もできるため、それだけでは決め手になりにくい記録です(写真の日付を証明するには)。PEA の撮影日時・位置情報の確認ツールを使えば、画像をどこにも送信せずに、撮影日時や機種、ファイルのハッシュ値を確かめられます。
- その日のうちに保険会社に送る。保険会社が案内する方法で送ると、相手の手元にも届いた日時とともに残ります。送ったあとも、元のファイルは手元に残します。
- 第三者のタイムスタンプで、ファイルの状態を固定する。信頼できる第三者(時刻認証局)が、「そのファイルがその時刻に存在し、以後変わっていない」ことを証明する仕組みです(国際標準 RFC 3161)。示せるのは「遅くともその時点でファイルがあった」ことで、撮影した時刻そのものではありません。撮ったらできるだけ早く固定するのが基本です。
| 残し方 | 示せること | 限界 |
|---|---|---|
| スマホの元の写真 | 撮影したままの画像と、端末が記録した撮影日時 | 日時は写真アプリや端末の時計の設定で変えられる。送信すると記録が消えることがある |
| ドライブレコーダーの映像 | 事故の前後の車の動き、信号の色など | 上書きされると消える。機器の時計がずれていると、表示される日時もずれる |
| 保険会社に送った記録 | 遅くとも送った時点でその写真があったことを、相手の手元にも残る日時つきの記録で示せる | 送るときに縮小・再圧縮されることがある |
| 交通事故証明書 | 警察に届け出た交通事故の事実 | 警察に届けていない事故には発行されない。事故がどう起きたかの詳しい様子は、写真や映像で補う必要がある |
| 第三者のタイムスタンプ(鑑定書など) | 遅くともその時点でファイルが存在し、以後変わっていないこと | 撮影日時、撮影者、どちらに過失があるかは示せない。費用がかかる |
やってはいけないこと
- 安全より写真を優先する。写真を撮るために車道に出る、高速道路の本線や路肩を歩く、後続車が来る場所に立ち続けるのは危険です。
- 警察に届けずに、その場で済ませる。物損事故でも報告は義務で、届け出ないと交通事故証明書も発行されません。その場での示談やお金の受け渡しも控えます。
- 保険会社に連絡する前に修理する。修理するときは、必ず事前に保険会社に連絡します。
- 事故の写真や動画を SNS に投稿する。相手のナンバーや顔、目撃者が写った画像を載せると、プライバシーや名誉をめぐる別のトラブルを招くおそれがあります。
- 写真や映像を編集してから出す。元のファイルをそのまま残し、見せるための加工はコピーに対して行います。
- ドラレコを放っておく。走行を続けると、事故の映像が上書きされることがあります。
PEA でできること・できないこと
PEA は、画像を性質の異なる8つの解析で調べ、AI による生成・加工の手がかりを1〜10のグレードで示す画像鑑定サービスです。事故の原因や過失割合、どちらの車がぶつけたかを判断するものではありません。
まずは、費用のかからないことから。安全を確保する、警察に届ける、写真を撮って元のファイルを残す、ドラレコの映像を保存する、保険会社に送る。これがいちばん先にやることです。PEA の鑑定書は、そのうえで特に大事な写真に使う、追加の手段です。
- 写真が「その時点で存在し、以後変わっていない」ことを、第三者が照合できる形で残せます。鑑定すると、写真のファイルのハッシュ値(SHA-256)と鑑定の内容に、電子署名と第三者のタイムスタンプ(RFC 3161)が付きます。タイムスタンプの時刻は、鑑定した時点です。事故の当日、修理に出す前に鑑定しておけば、「遅くともその日には、この写真が存在した」ことを示す材料になります。
- 鑑定書にするのは7日以内です。無料の鑑定の結果は7日で消えます。残したい写真は、7日以内に鑑定書(1件¥1,000)にしてください。保険会社や弁護士など見せた相手が、証明書番号で照合のページから、発行日時・ファイルのハッシュ値・タイムスタンプの時刻を確かめられます。
- 全部の写真を鑑定書にする必要はありません。損傷のアップ、停止位置、信号など、話し合いで争いになりそうな1〜数枚に絞り、事故の当日に固定するのが現実的です。無料の鑑定は1日1件までで、登録とメールアドレスの確認が必要です。同じ日に数枚を鑑定したい場合は、Plus(¥10,000 / 月)という選択肢もあります。詳しくは料金のページをご覧ください。
- 写真のファイル(JPEG・PNG・HEIC、25MB まで)が対象です。ドラレコの映像などの動画は鑑定できません。
- 他人の免許証などの画像は、必要がなければアップロードしないでください。鑑定に使うのは、事故の状況や損傷の写真で十分です。
- 画像は、ご本人だけが見られる設定で保存します。運営者は画像を見ません。担当者が画像を確認するのは、有人鑑定をご依頼いただき、開示に同意された場合だけです。鑑定の一部では、外部の解析サービスに画像を送信します(送信先はプライバシーポリシーに記載しています)。
PEA は、事故の原因、過失割合、誰が車をぶつけたか、写真を撮った日時は証明できません。示せるのは、写真のファイルが鑑定の時点で存在し、以後変わっていないことと、鑑定の内容です。鑑定書のタイムスタンプは、総務大臣の認定を受けたタイムスタンプではありません。保険会社や裁判所がそれをどう評価するかは保証できません。
相談先
- 警察:事故の届出は110番か最寄りの警察署へ。当て逃げに後から気づいたときも届け出ます。
- 加入している保険会社の事故受付・代理店:事故の後、できるだけ早く連絡します。
- そんぽADRセンター(日本損害保険協会):損害保険や交通事故に関する相談に、原則無料で応じています。電話 03-4332-5241(月〜金曜 9時15分〜17時。祝日・休日と年末年始を除く)。
- 弁護士:日弁連交通事故相談センターでは、弁護士が交通事故の相談に無料で応じています。相手との話し合いがこじれた、請求額が大きい、といった場合は早めに相談しましょう。
よくある質問
物損事故で撮るべき写真は?
けが人の救護、後続車への合図などの危険防止、警察への連絡を済ませ、安全を確かめてから撮ります。撮るのは、両方の車の損傷(ナンバーを含む全体、損傷を中心に3方向、アップ)、車が止まった位置、路面のブレーキ痕や破片、信号・標識・停止線、交差点や道路全体の見通し、天候と明るさです。相手の車がその場を離れる前に、相手の車とナンバーを先に撮りましょう。ドライブレコーダーの映像は、上書きされないよう保存してください。
事故現場で写真を撮り忘れたら?
残っている記録を、消える前に集めます。まずドライブレコーダーの映像を保存し、修理に出す前に自分の車の損傷を撮ります(修理の前に保険会社へ連絡してください)。道路の形や信号・標識、見通しは後日でも撮れるので、いつ撮ったかを書き添えて残します。近くの防犯カメラは保存期間が短いことが多いため、早めに管理者や警察に相談し、目撃者を探し、記憶が新しいうちにメモと見取図を書きましょう。
物損事故で警察は写真を撮ってくれますか?
あてにしないほうが安全です。人身事故では、警察が停止位置や衝突地点、ブレーキ痕、信号などを記録した実況見分調書を作りますが、物損事故(物件事故)では簡易な物件事故報告書が作られるだけで、実況見分は行われない傾向があると法律事務所は解説しています。また、過失割合は警察ではなく当事者(多くは双方の保険会社)が話し合って決めます。物損事故でも警察への届出は必要なので届け出たうえで、写真・ドラレコ・メモは自分で残してください。
当て逃げで証拠がないときは?
証拠が少なくても、気づいた時点で警察に届け出てください。届け出ておくと交通事故証明書を申請でき、保険の手続きに使えます。そのうえで、駐車していた時間の幅を書き留め、駐車監視のあるドラレコ、周りの防犯カメラ(保存期間が短いので早めに)、目撃者を確かめ、損傷の高さや付いた塗料の色を撮っておきます。相手が見つからない場合、車両保険で補償されるかは契約のタイプによります。物損には国の政府保障事業は使えません。
ドラレコの映像はどう保存すればいい?
上書きされる前に、端末の所定の操作で事故の映像を保存し、安全な場所で SD カードなどを抜いて保管します。パソコンなどにコピーし、事故の前後の数分と、前方・後方などすべてのカメラの映像を残しましょう。元のファイルは編集せず、提出用の切り出しはコピーで行います。メッセージアプリで送ると縮小されることがあるため、保険会社への送り方は保険会社の案内に従ってください。
出典
- e-Gov法令検索: 道路交通法(昭和35年法律第105号)
- e-Gov法令検索: 道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)
- 警察庁交通局: 高速道路を安全に利用するために(PDF)
- 鳥取県警察 浜村警察署: 交通事故後の手続きなど
- 自動車安全運転センター: 申請方法(交通事故証明書)
- 日本損害保険協会: 交通事故直後から示談までの流れを解説!交通事故にあった際に押さえておくべきポイントとは
- 日本損害保険協会 損害保険Q&A: 問25 交通事故を起こしてしまった場合、どのようなことをすればよいのですか。
- 日本損害保険協会 損害保険Q&A: 問26 被害が軽微な交通事故の場合でも、警察に届けないといけないのですか。
- 日本損害保険協会 損害保険Q&A: 問15 車両保険は、どのような保険ですか。
- 日本損害保険協会: 相談対応、苦情・紛争の解決(そんぽADRセンター)
- 国土交通省: 政府保障事業
- 国土交通省: 自賠責保険・共済ってどんなもの?
- JAF クルマ何でも質問箱: 交通事故を起こしたら、加害者はどうするべきですか?(2023年11月現在)
- 損保ジャパン 事故対応ガイド: 事故現場での対応手順
- 東京海上日動 よくあるご質問: 【自動車事故】事故に遭った場合、修理工場に預ける前に車の損傷写真は撮影しておいた方がよいでしょうか?
- SOMPOダイレクト(おとなの自動車保険): 「当て逃げ事故」とは?自動車保険の適用の有無や、被害にあった場合の対処法を解説!(2026年1月26日更新)
- 日本防犯設備協会 映像セキュリティ委員会: 防犯カメラの録画保存期間の業界別調査(2026年7月、PDF)
- デイライト法律事務所(監修 弁護士 鈴木啓太): 交通事故で診断書は出す?出さない?デメリットを解説(2025年11月21日更新)
- VSG弁護士法人: 交通事故の過失割合が決まらないときはどうすればいい?対処法や過失割合の決め方を解説(2022年11月10日更新)
- 自動車安全運転センター: 交通事故に関する証明書
- 日弁連交通事故相談センター
- アクサ損害保険 よくあるご質問: 損害車両の写真は撮影しておいた方がいいですか?