すり替え詐欺とは:どんな場面で起きるか

フリマアプリの「すり替え詐欺」とは、出品者が送った品物について、購入者が「偽物だった」「壊れていた」などと言って返品を求め、送ったものとは別の品物(偽物、壊れた品、よく似た別の個体など)を送り返してくることを指して使われる言葉です。

国民生活センターは、2025年9月2日の注意喚起で、次のような出品者からの相談を紹介しています(2024年6月受付)。

  • ブランドバッグを出品し、購入者に送ったところ、数日後に「偽物が届いた」と苦情があった。
  • 交渉の末に返品を受け入れたが、戻ってきたのは、送ったときのブランドの箱もなく、出品したものとは違うバッグだった。

同じ注意喚起では、多くのフリマサービスの利用規約で、トラブルの解決は原則として当事者間(個人間)で図ることが求められている、と説明しています。そのうえで、出品者には「商品を発送する際は追跡が可能な方法を採る」などの未然防止を、トラブルになったら運営事業者に事情を伝えて鑑定サービス・補償制度の利用や調査の協力が得られないかを確認するよう、呼びかけています。

すり替えが疑われる場面で問題になるのは、ほとんどの場合「送ったものと、戻ってきたものが違うと、どう示すか」です。事務局に相談するときも、警察に相談するときも、発送前の記録があるかどうかで、説明のしやすさが大きく変わります。

メルカリ・Yahoo!フリマ・ラクマの返品のルール

返品の流れは、サービスによって違います。すり替えへの備えに関わる部分だけをまとめます(2026年10月5日時点の各社ヘルプ)。

メルカリの返品の流れ

メルカリのヘルプ「商品の返品手順」では、次のように案内されています。

  1. 出品者・購入者が返品前の注意事項に同意する。
  2. 出品者からキャンセル申請を行い、購入者が内容を確認して同意する。
  3. 購入者が出品者に商品を発送する。らくらく・ゆうゆう・エコメルカリ便で発送した取引では「匿名返品サービス」を利用できます。使わない場合は、追跡番号付きの配送方法で送り、取引メッセージで追跡番号を知らせます。
  4. 出品者が返送された商品を受け取り、「返送された商品を受け取った」をタップすると、キャンセルが完了し、商品代金が購入者に戻ります。

ポイントは、返品の品物が出品者に届いてから、出品者の操作でキャンセル(返金)が完了する順番になっていることです。メルカリの出品者ガイドラインも、双方合意でキャンセルする場合は「返品商品の到着後にキャンセルを完了」するよう求め、返品の完了前にキャンセルを完了した場合は、全額補償サポートの対象外になると書いています。

同じヘルプには「購入者から出品者へ返送された商品に問題があった場合」の項目があり、メルカリ便を利用している場合は、事務局が配送状況の調査や商品状態の確認を行い、補償を適用できるかを案内するとしています。その際、次の対応を求めています。

  • 商品の破損状態や問題箇所がわかる画像の送付
  • 商品の実物を「商品回収センター」へ送ること(送り先は事務局が案内)
  • 本人確認(アプリでかんたん本人確認など)の実施

商品回収センターは、メルカリが2024年11月25日に開設を発表した施設で、すり替え・模倣品などの商品の回収と、商品画像・説明などと商品の実物との照合・調査を行うとしています。また、メルカリは2025年9月に、偽ブランド品やすり替え詐欺の被害の抑止を目的に、自社運営の「メルカリ鑑定センター」を立ち上げたと公表しています。

このほか、2026年3月2日から順次始まった「匿名返品サービス」のヘルプには、返送時の梱包サイズ・重量が到着時と大きく異なるなど、不正利用の可能性があると判断した場合は、アカウントの利用制限などの措置を取ることがある、と書かれています。

メルカリの「全額補償サポートプログラム」

メルカリは2025年7月1日から「全額補償サポートプログラム」を適用しています。トラブルが起きたときに事務局がサポートし、補償するもので、出品者には販売利益、購入者には支払い代金(割引クーポンの利用分を除く)が補償範囲です。上限金額はなく、梱包資材費や各種手数料は対象外です。

適用されるのは、次の5つの条件をすべて満たす場合です。

  1. アプリでかんたん本人確認(eKYC)を済ませている
  2. 配送方法に「メルカリ便」を使っている
  3. 配達完了日の翌日から14日以内に事務局へ問い合わせている
  4. 出品者ガイドライン(または購入者ガイドライン)を守って利用している
  5. 過去の取引も含めて「ルールとマナー」と利用規約を守って利用している

あわせて、2025年7月1日以降に始まった取引が対象で、メルカリShops の取引や、別の補償を受けられる場合は対象外です。申請は、ヘルプのページ下部の「お問い合わせはこちら」から、商品の問題箇所の画像を添付して行います。適用される場合は、対象の商品を商品回収センターへ送るよう案内され、期日までに対応しないと対象外になります。

補償のページには、どんなトラブルが対象かが一つずつ書かれているわけではありません。返品された品物がすり替えられていた場合に補償されるかどうかは、事務局が取引や利用の状況を確認して判断します。「必ず補償される」とは考えず、条件を満たせるように準備したうえで、早めに問い合わせてください。出品者ガイドラインは、「商品説明や画像から商品の詳細を確認することができない出品」や、メルカリ便以外の配送方法での発送も、全額補償サポートの対象外としています。

Yahoo!フリマ・ラクマの場合

Yahoo!フリマ(2023年11月1日に「PayPayフリマ」から名称変更)のヘルプ「返品したい(返品に関する注意事項)」は、返品するときは取引メッセージで相談して詳細を決めるよう案内しています。

  • 返品には「おてがる配送」を使えず、住所・氏名・電話番号を取引メッセージでやり取りして、任意の配送方法で返送します。追跡機能のある配送方法を使い、伝票番号をメッセージで知らせることをすすめています。
  • 返品・返金の順番について、「返品は、取引がキャンセルされてから発送することをおすすめしますが、取引相手とお話し合いのうえ決めてください」としています。メルカリとは順番の考え方が違うため、すり替えが心配なときは、品物が戻ってきて確認できてからキャンセルする、という順番を相談することも考えられます。
  • 返送中の紛失や破損などの配送事故には、Yahoo!フリマは対応できないとしています。
  • 出品者が返品のすり替えに遭った場合の扱いは、ヘルプでは確認できませんでした。お問い合わせフォームから相談してください。

ラクマの公式ガイド「商品の返送はどうすればいいですか?」は、次のように案内しています。

  • 返送方法と送料の負担は取引メッセージで話し合い、追跡が可能な配送方法(ゆうパックやヤマト宅急便など)をすすめています。返送に匿名配送は使えず、ラクマに登録した住所以外への返送は指定できません。
  • 購入者は返送後すぐに取引メッセージに追跡番号を書き、送り状や伝票の控えはキャンセルが完了するまで保管します。
  • 出品者は、返送された商品を確認した後に、取引キャンセル申請を行います。キャンセル後は取引メッセージが使えなくなるため、必要なやりとりは申請の前に済ませるよう書かれています。

補償の制度や条件はサービスごとに違い、変わることもあります。利用しているサービスのヘルプで、最新の条件を確認してください。

出品するときにできること

すり替えへの備えは、出品のときから始まっています。

  • 手元にある品物を、いろいろな角度から撮って載せる。メルカリの出品者ガイドラインは、全体像だけでなく、細部、傷や汚れのある箇所、付属品、パッケージなども撮影して掲載するよう求めています。出品ページの写真は、出品した時点の状態を示す材料になります。取引が終わったあとに見られなくなる場合に備えて、出品ページのスクリーンショットも保存しておきましょう。
  • 型番・シリアル番号の扱いを決める。メルカリのガイドは、ブランドの財布・バッグではシリアルナンバーや製造番号をアップではっきり撮影すること、スマートフォンでは IMEI(製造番号)・シリアル番号を商品説明に書くことをすすめています。番号の全体を載せるか、一部だけにするかは、品物とサービスの案内に合わせて判断します。一部だけを載せておくと、返品されたものと照らし合わせるとき、全体の番号を知っているのは自分だけ、という確認がしやすくなります。どちらの場合も、番号の全体が読める写真は必ず手元に残します。
  • 傷や不具合は、正直に、具体的に書く。説明にない傷を指摘されること自体が、トラブルの入口になります。メルカリのガイドラインは「画面に小さな傷が2箇所あります」のように、傷・汚れ・機能的な欠陥を具体的に書くよう求めています。
  • 「返品不可」と書かない。メルカリは「商品に問題があっても返品に応じないという記載をすること」を禁止しています。すり替えへの備えを書くなら、「発送前に、シリアル番号と状態を写真・動画で記録しています」のように、記録していることを伝える書き方にします。
  • 補償の条件を先に満たしておく。メルカリでは、本人確認(eKYC)を済ませ、メルカリ便で送る設定にしておきます。

発送前に残すもの(チェックリスト)

発送の当日、箱に入れる直前に、次のものを残します。高価な品物(ブランド品、ゲーム機、カメラ、スマートフォン、時計など)ほど、念入りに残しておきましょう。

  1. 全体の写真:表・裏・側面・底・内側など、すべての面。
  2. 型番・シリアル番号(製造番号)のアップ:刻印、ラベル、保証書の番号。スマートフォンやゲーム機は、設定画面に表示される番号も撮ります。
  3. その品物だけにある特徴のアップ:小さな傷、汚れ、色あせ、ステッチのほつれ、ネジの傷など。番号のない品物では、これが個体を見分ける手がかりになります。
  4. 付属品・箱・保証書:全部を並べた写真と、1つずつの写真。
  5. 動作の様子の動画:電源を入れ、主な機能が動くところ。
  6. 梱包の動画:番号と特徴を映してから、緩衝材で包み、箱に入れ、封をして伝票を貼るまで。
  7. 梱包した箱の重さ:はかりに載せた状態を撮ります。
  8. 発送の控え:受付票・伝票の控え、追跡番号、発送通知の画面。
  9. 取引メッセージ:状態の説明や合意した内容のスクリーンショット。メルカリでは、最後のメッセージから2週間たつと取引メッセージが使えなくなります(スクショの残し方)。

撮り方のコツ

  • 「引き」と「寄り」を1組で撮る。傷のアップだけでは、品物のどこの傷かがわかりません。位置がわかる写真とセットにします。メジャーや定規を添えると大きさが伝わります。
  • 番号は、文字がはっきり読めるまで寄る。ピントが合っているか、撮ったその場で拡大して確かめます。
  • 日付と商品の ID を書いたメモを一緒に写す。紙に「2026/10/05 商品ID ○○○」のように書いて品物の横に置くと、写真が取引のための記録だとわかり、「早くともその日以降に撮った」ことの材料にもなります。購入者の名前や住所は写さないでください。
  • 梱包の動画は、途中で止めない。1本の動画で、番号を映してから封をするまでを続けて撮ります。途中で切れていると「その間に入れ替えたのでは」と言われる余地が残ります。手元と箱が画面から外れないように、スマホを固定すると撮りやすくなります。
  • 加工しない。トリミングや明るさの補正、フィルターは使いません。見やすくしたいときは、必ずコピーに対して行います(証拠の写真を「加工した」と疑われたら)。
  • 元のファイルを2か所以上に保存する。スマホの中の撮影したままのファイルを、パソコンや元の画質で保存されるクラウドにも残します。取引が終わってしばらくは消さないでください。

残すものと、示せること・限界

発送前に残すものと、示せること・限界
残すもの撮り方何を示せるか・限界
全体の写真すべての面を、明るい場所で無地の背景に置いて撮る発送前の外観と状態。ただし、同じ型の別の個体と区別しにくい
型番・シリアル番号のアップ文字がはっきり読めるまで寄る。刻印・ラベル・設定画面の表示もその個体を特定する強い手がかり。番号のない品物もあり、番号の部分だけ付け替えられた場合までは示しにくい
固有の傷・汚れのアップ位置がわかる引きの写真とセットで、定規を添える番号のない品物でも個体を見分ける手がかり。よく似た傷との区別が難しいことがある
付属品・箱・保証書全部を並べた写真と、1つずつの写真発送のときに付属品がそろっていたこと
動作の動画電源を入れ、主な機能を動かす発送前に動いていたこと。配送中の破損かどうかまでは示せない
梱包の動画番号を映す→包む→箱に入れる→封をする→伝票を貼る、を1本でその品物を箱に入れて封をしたこと。箱を開けたあとのことは示せない
梱包した箱の重さはかりに載せた状態を撮る返送されたときの重さと比べる材料。梱包材の違いで変わるため、小さな差は手がかりになりにくい
発送の控え・追跡番号受付票・伝票の控え・発送通知の画面発送した日時と荷物。中身は示さない
取引メッセージの画面状態の説明、合意の内容をスクリーンショットでやりとりの経過。メルカリでは2週間で使えなくなるため早めに保存
第三者のタイムスタンプ(鑑定書など)発送前の写真を、発送の当日に固定する遅くともその時点でファイルが存在し、以後変わっていないこと。撮影日時や、写っている品物を実際に発送したことは示せない。費用がかかる

写真の日付を「発送前」に固定する

すり替えが疑われたとき、発送前の写真には「本当に発送の前に撮ったのか」という疑問が向けられることがあります。

スマホの写真に記録される撮影日時は、端末の時計の記録です。iPhone の「写真」アプリや Google フォトでは、後から変更することもできます。そのため、撮影日時だけでは、日付の証明として弱いことがあります(詳しくは写真の日付を証明するには)。PEA の撮影日時・位置情報の確認ツールを使えば、画像をどこにも送信せずに、撮影日時や機種、ファイルのハッシュ値を確かめられます。

日付は、「遅くとも(その時点より後ではない)」と「早くとも(その時点より前ではない)」に分けて考えると整理しやすくなります。

  • 遅くとも発送の前に、その写真があったことを示すには、自分の端末の外に、日時つきの記録を残します。
    • その日のうちに、写真を自分の別のメールアドレスや家族に送る。送った記録は相手の側にも残ります。
    • 出品ページに写真を載せておく(出品した時点の状態の記録になります)。
    • 第三者のタイムスタンプで、写真のファイルを固定する。信頼できる第三者(時刻認証局)が、「そのファイルがその時刻に存在し、以後変わっていない」ことを証明する仕組みです(国際標準 RFC 3161)。発送の受付時刻より前のタイムスタンプがあれば、「発送の前にこの写真があった」と説明しやすくなります。
  • 早くともその日以降に撮ったことを示すには、上の「撮り方のコツ」のように、日付を書いたメモを一緒に写します。

どの方法も、写っている品物を実際にその箱に入れて送ったことまでは示せません。そこを補うのが、途中で止めずに撮った梱包の動画です。写真・動画・発送の控えを組み合わせて残すのが基本です。賃貸の入居時の写真でも考え方は同じなので、賃貸の入居時の写真の撮り方も参考にしてください。

返品を求められたら

購入者から「偽物だった」「説明と違う」「壊れていた」と連絡が来たら、あわてて返品に応じる前に、次のことをします。

  1. 具体的な内容と写真を求める。どこが、どう違うのか。問題の箇所のアップと、品物の全体、届いたときの箱や梱包の様子の写真を送ってもらいます。メルカリのヘルプも、問題があった場合は出品者に発送時の商品状態や自分の要望を伝えるよう案内しています。
  2. 発送前の記録と見比べる。自分の写真・動画で、指摘された箇所がどうだったかを確かめます。
  3. 落ち着いて、事実だけを伝える。「発送前にシリアル番号と状態を記録しています」と伝え、相手を責める言い方は避けます。配送中の破損など、どちらにも悪意がない可能性もあります。
  4. 話し合いで解決しないとき、判断に迷うときは、事務局に問い合わせる。メルカリでは、当事者間で解決できない場合、商品の到着から14日以内に問い合わせれば、利用状況に応じて補償の可否を調査すると案内されています。

返品に応じる場合は、サービスの手順に沿って進めます。メルカリでは、出品者からのキャンセル申請、匿名返品サービスまたは追跡番号つきの配送方法での返送、という流れです。取引メッセージで合意した内容(返品の理由、配送方法、送料の負担)は、スクリーンショットで保存しておきます。

なお、メルカリでは、「届いた商品がイメージと違う」「不要になった」などの購入者都合による返品は、双方の合意がある場合を除き禁止されています(購入者ガイドラインの返品ルール)。一方で、出品者が説明していなかった傷や不具合がある場合は事情が違います。どちらに当たるか判断に迷うときも、事務局に相談してください。

購入者から傷・不具合の写真が届いたら

  • 送られてきた画像は、そのまま保存する。誰から、いつ、どこで受け取ったかも記録します。
  • 自分の発送前の写真と、同じ箇所を見比べる。傷の位置・形・大きさ、付属品、シリアル番号が一致するかを確かめます。
  • 画像そのものが気になるときは、加工の手がかりを調べる方法もあります。調べ方は写真・画像が加工されているか調べる方法で解説しています。ただし、アプリを経由した画像は縮小・再圧縮されていることが多く、調べても「加工されていない」とも「加工された」とも言い切れないことがほとんどです。画像の結果だけで相手を責めないでください。
  • 判断がつかないときは、写真を添えて事務局に相談します。メルカリでは、事務局が画像の送付や商品回収センターへの実物の送付を求め、実物を確認する仕組みになっています。

返品が届いたときの確認の手順

返品の箱が届いたら、すぐに開けず、次の順番で記録します。

  1. 開ける前の箱を撮る。伝票(送り状)、外箱のすべての面、封の状態、へこみや破れを撮ります。
  2. 重さを量る。はかりに載せた状態を撮り、発送前の重さと比べます。
  3. 動画を回し始めてから開ける。伝票が映る状態から撮り始め、封を切り、中身を取り出し、シリアル番号と固有の特徴を映すところまでを、1本の動画で、途中で止めずに撮ります。
  4. 発送前の記録と照らし合わせる。シリアル番号、固有の傷、付属品、箱を、発送前の写真・動画と見比べます。
  5. 問題がなければ、サービスの手順に沿って返品を完了します。メルカリでは「返送された商品を受け取った」をタップします。

違っていた、または中身が足りなかった場合は、次のようにします。

  • 品物を使わない・直さない・捨てない。届いたままの状態で、箱・緩衝材・伝票も含めて保管します。事務局から、商品回収センターなどへの送付を求められることがあります。
  • 返品を完了させる操作をする前に、事務局に問い合わせる。メルカリでは、「返送された商品を受け取った」をタップするとキャンセルが完了し、代金が購入者に戻る流れです。問題に気づいたら、操作の前に事務局に連絡し、指示を受けてください。ただし、長く放置すると事務局が取引を完了・キャンセルする場合もあると案内されているので、届いたその日のうちに連絡するのが安心です。ラクマも、出品者は返送された商品を確認した後にキャンセル申請をする流れです。
  • 取引メッセージを保存する。キャンセルの後や一定の期間の後は、取引メッセージが使えなくなります。

すり替えられていたら:事務局・警察・相談窓口

まず事務局に問い合わせる

最初の相談先は、取引をしたフリマアプリの事務局(運営事業者)です。

  • メルカリ:問い合わせは、ヘルプセンターで対象の取引とお困りごとを選び、ガイドの下部の「お問い合わせはこちら」から行います(ログインが必要)。「購入者から出品者へ返送された商品に問題があった場合」として、問題箇所がわかる画像を添付し、何が違うのかを具体的に書きます。事務局の案内に沿って、商品回収センターへの送付や本人確認を行います。
  • Yahoo!フリマ・ラクマ:各サービスのヘルプのお問い合わせフォームから相談します。

伝える内容の例です。

〇月〇日に発送した商品(商品ID:〇〇〇)について、購入者からの申し出により返品に合意しました。〇月〇日に返品の荷物を受け取りましたが、シリアル番号が発送前の記録(下四桁〇〇〇〇)と一致せず、発送前に撮影した傷も見当たりません。開封時の動画、発送前の写真・梱包の動画、発送の控えがあります。キャンセルの操作はまだ行っていません。今後の手順をご案内ください。

警察に相談する

返品の際に別の品物を送り返して代金を取り戻すような行為は、事情によっては詐欺罪にあたりうる行為です(次の節)。被害が大きいとき、事務局に相談しても解決しないときは、警察への相談も考えます。

  • 最寄りの警察署に相談する。警察庁は、オークション詐欺・フリマサイト詐欺の被害に遭った場合、出品されていたサイトの URL、画像などの資料を持参して、最寄りの警察署に通報・相談するよう案内しています。事前に電話で担当者と日時や持参する資料を調整すると、スムーズに進むとしています。
  • 持っていくもの:取引の画面(商品ページ、取引 ID、相手のユーザー名)、取引メッセージの保存、発送前の写真・動画、発送と返送の控え(伝票番号)、開封時の動画、届いた品物(またはその写真)、事務局とのやりとり。警察庁は、取引相手の情報や、やりとりを時系列に整理したものを保存するよう呼びかけています。
  • 電話で相談したいときは「#9110」:警察相談専用電話です。全国どこからでも、かけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。受付時間は平日 8時30分〜17時15分が基本で、都道府県警察によって異なります。緊急のときは110番です。

メルカリは、2026年7月9日に警察庁と「不正取引等に関する情報共有に関する協定」を結び、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した取引などの情報を、法令に基づいて警察庁に提供する場合があると公表しています。

消費生活センター・弁護士に相談する

  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」:最寄りの消費生活センターなどを案内する全国共通の番号です。国民生活センターは、当事者間で話し合っても、運営事業者に相談しても交渉が進まない場合は、問題点の整理のために消費生活センターに相談するよう案内しています。
  • 弁護士・法テラス:相手に損害の賠償を求めたい、金額が大きい、といった場合は、弁護士に相談します。法テラス(サポートダイヤル 0570-078374)では、問題の解決に役立つ法制度や相談窓口を無料で案内しています。

すり替えは犯罪になるのか

この節は一般的な説明で、法的な助言ではありません。個別の事情でどうなるかは、警察や弁護士に相談してください。

  • 詐欺罪(刑法第246条):人を欺いて財物を交付させた者、またはその方法で財産上不法の利益を得た者は、10年以下の拘禁刑に処すると定められています。法律事務所の解説では、成立には、だます行為、相手がだまされること、財物や利益を渡すこと、それが実際に移ること、そしてだます意思(故意)が必要とされています。「偽物だった」と偽って別の品物を送り返し、返金を受けたり本物を手に入れたりする行為は、こうした要件を満たせば詐欺罪にあたりうる、と考えられます。ただし、成立するかどうかは、捜査機関や裁判所が事情をもとに判断します。
  • 民事の責任:故意や過失によって他人の権利を侵害した者は、生じた損害を賠償する責任を負います(民法第709条、不法行為)。相手に損害の賠償を求めるには、相手の特定や証拠が必要になるため、弁護士に相談してください。

どちらの場面でも、「送ったものと戻ってきたものが違う」ことを示す材料が求められます。発送前の記録と、開封時の記録が、その中心になります。

やってはいけないこと

  • SNS や評価欄で、相手を名指しで非難する。確かな証拠がないまま「詐欺師」などと書くと、名誉毀損などの別のトラブルを招くおそれがあります。メルカリも、評価コメントに誹謗中傷などの不適切な内容を書くことや、特定のアカウントへの悪意ある侮辱、個人情報の公開を禁止しています。
  • 届いた品物を使う・修理する・捨てる。事務局や警察に確認してもらう前に状態が変わると、説明が難しくなります。
  • 確認する前に、返品を完了させる操作をする。メルカリでは、操作するとキャンセルが完了し、代金が購入者に戻ります。
  • 発送前の写真や動画を編集してから出す。トリミングや補正だけでも「加工した」と言われる材料になります。元のファイルをそのまま残し、見せるための加工はコピーに対して行います。
  • 取引の外で直接やりとりする・別の方法でお金を返す。メルカリは、外部サービスへの誘導や、用意された取引の流れに沿わない行為を禁止しています。補償の対象からも外れるおそれがあります。

PEA でできること・できないこと

PEA は、画像を性質の異なる8つの解析で調べ、AI による生成・加工の手がかりを1〜10のグレードで示す画像鑑定サービスです。返品された品物が本物かどうかを鑑定するサービスではありません。

まずは、費用のかからないことから。発送前に写真と動画を撮る、元のファイルを残す、メルカリ便などの追跡できる方法で送る。これがいちばん先にやることです。PEA の鑑定書は、そのうえで高価な品物の、特に大事な写真に使う、追加の手段です。

  • 発送前の写真が「その時点で存在し、以後変わっていない」ことを、第三者が照合できる形で残せます。鑑定すると、写真のファイルのハッシュ値(SHA-256)と鑑定の内容に、電子署名と第三者のタイムスタンプ(RFC 3161)が付きます。タイムスタンプの時刻は、鑑定した時点です。発送の当日、発送の前に鑑定しておけば、「遅くとも発送の前に、この写真が存在した」ことを示す材料になります。
  • 鑑定書にするのは7日以内です。無料の鑑定の結果は7日で消えます。残したい写真は、7日以内に鑑定書(1件¥1,000)にしてください。鑑定書にすると、事務局や弁護士など見せた相手が、証明書番号で照合のページから、発行日時・ファイルのハッシュ値・タイムスタンプの時刻を確かめられます。
  • 全部の写真を鑑定書にする必要はありません。ブランド品・ゲーム機・カメラ・スマートフォンなど、高価な品物の、シリアル番号のアップや、固有の傷のアップなど、その品物だと示せる1〜数枚に絞るのが現実的です。無料の鑑定は1日1件までで、登録とメールアドレスの確認が必要です。同じ日に数枚を鑑定したい場合や、出品が多い場合は、Plus(¥10,000 / 月)という選択肢もあります。詳しくは料金のページをご覧ください。
  • 鑑定に出したファイルは、そのまま残してください。開いて保存し直したり、トリミングしたりすると、ハッシュ値が変わって照合できなくなります。
  • 写真のファイル(JPEG・PNG・HEIC、25MB まで)が対象です。梱包や開封の動画は鑑定できません。動画は元のファイルのまま保存しておいてください。
  • 画像は、ご本人だけが見られる設定で保存します。運営者は画像を見ません。担当者が画像を確認するのは、有人鑑定をご依頼いただき、開示に同意された場合だけです。鑑定の一部では、外部の解析サービスに画像を送信します(送信先はプライバシーポリシーに記載しています)。

PEA は、返品された品物が発送したものと違うこと、誰がすり替えたか、写真に写っている品物を実際に発送したこと、写真を撮った日時は証明できません。示せるのは、写真のファイルが鑑定の時点で存在し、以後変わっていないことと、鑑定の内容です。鑑定書のタイムスタンプは、総務大臣の認定を受けたタイムスタンプではありません。事務局・警察・裁判所がそれをどう評価するかは保証できません。鑑定書は、梱包の動画や発送の控え、開封の動画と合わせて使ってください。画像の鑑定を専門家に頼みたいときは、写真・画像の鑑定はどこに頼める?も参考にしてください。

よくある質問

メルカリのすり替え詐欺は警察に相談できますか?

相談できます。返品の際に別の品物を送り返して代金を取り戻すような行為は、事情によっては詐欺罪(刑法第246条)にあたりうるためです。警察庁は、サイトの URL や画像などの資料を持って最寄りの警察署に相談し、事前に電話で日時や持参する資料を調整するよう案内しています。電話での相談は警察相談専用電話「#9110」も使えます。あわせて、まずメルカリの事務局にも問い合わせてください。

すり替えを防ぐには、発送前に何を撮ればいいですか?

全体の写真に加えて、型番・シリアル番号(製造番号)、その品物だけにある傷や汚れ、付属品をアップで撮ります。さらに、番号を映してから箱に入れて封をし、伝票を貼るまでを途中で止めずに動画で撮り、梱包した箱の重さと発送の控えも残します。元のファイルは加工せず、2か所以上に保存してください。

返品された商品がすり替えられていたら、どうすればいいですか?

品物を使ったり捨てたりせず、箱や伝票も含めて届いたまま保管します。開封の様子を動画で残し、発送前の記録と見比べたうえで、返品を完了させる操作(メルカリでは「返送された商品を受け取った」)をする前に、事務局に問い合わせてください。メルカリでは、問題箇所の画像の送付、商品回収センターへの実物の送付、本人確認を求められます。解決しないときは、警察や消費生活センター(188)にも相談できます。

すり替え詐欺は補償されますか?

メルカリには2025年7月1日から「全額補償サポートプログラム」があり、出品者は販売利益が補償範囲です。ただし、本人確認(eKYC)、メルカリ便の利用、配達完了日の翌日から14日以内の問い合わせ、ガイドラインと利用規約を守った利用、という条件をすべて満たす必要があり、補償するかは事務局が状況を確認して判断します。Yahoo!フリマやラクマなど、ほかのサービスの条件は各サービスのヘルプで確認してください。

写真の日付は証拠になりますか?

説明の材料にはなりますが、それだけでは弱いことがあります。スマホの撮影日時は端末の時計の記録で、後から変更もできるからです。発送前の写真は、その日のうちに自分の別のアドレスや家族に送る、日付と商品 ID を書いたメモを一緒に写す、第三者のタイムスタンプで固定する、などを組み合わせると、「発送の前に撮った」と説明しやすくなります。

出典