まず安全を。身の危険を感じるときは

  • 殴られていなくても、相談できます。配偶者暴力防止法は「配偶者からの暴力」を、身体に対する暴力だけでなく、「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」も含めて定めています(第1条)。内閣府男女共同参画局は、この言動には、いわゆる精神的暴力や性的暴力などが含まれ、刑法上の脅迫にあたるような言動もこれに該当すると説明しています(軽微なものは除かれる趣旨とされています)。
  • 内閣府の「暴力の形態」のページでは、精神的な暴力の例として、大声でどなる、「誰のおかげで生活できるんだ」などと言う、実家や友人とのつきあいを制限したり電話や手紙をチェックしたりする、無視して口をきかない、人前でばかにしたり命令口調で話したりする、大切にしている物を壊したり捨てたりする、生活費を渡さない、仕事を辞めさせる、子どもに危害を加えると言って脅す、などが挙げられています。これらは「相談の対象となりうるもの」の例で、すべてが法律上の「配偶者からの暴力」にあたるとは限らない、という注記もあります。
  • DV相談ナビ(#8008):全国共通の番号にかけると、最寄りの都道府県の配偶者暴力相談支援センターにつながります。通話料がかかり、受付は各相談機関の受付時間内です。つながらないときは、都道府県や市区町村の配偶者暴力相談支援センターに直接電話してください。
  • DV相談+(プラス):内閣府の相談窓口です。電話(0120-279-889)は24時間受付、チャットは12時〜22時。「これってDVかな?」という段階でも相談できます。
  • 警察:今すぐ駆けつけてほしい緊急のときは110番。緊急でない相談は、最寄りの警察署か警察相談専用電話#9110 へ。
  • 配偶者暴力相談支援センターでは、相談や相談機関の紹介、カウンセリング、緊急時の安全の確保と一時保護、裁判所の保護命令制度の利用についての情報提供などを行っています。
  • 証拠を集めていることが相手に知られると、かえって危険が増すおそれがあります。問い詰めたり、集めた証拠を突きつけたりしないでください。証拠の残し方も含めて、まず相談窓口や弁護士に相談するのが安全です。

法律でいう「モラハラ」(離婚と慰謝料での扱い)

この記事は、民事の手続(離婚の調停・裁判、慰謝料の請求)での一般的な考え方の説明で、法的な助言ではありません。実際の判断は事案ごとに異なります。

「モラハラ(モラルハラスメント)」は、ふだん使われる言葉で、法律にそういう名前の定めがあるわけではありません。民法の離婚の原因にも、モラハラは直接は書かれていません。そのため、手続の場面ごとに、次のように法律に当てはめて考えます。

  • 離婚の原因として:相手が離婚に応じず、裁判で離婚を求める場合は、民法第770条第1項が定める離婚の原因が必要です。モラハラは、そのうちの「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(第4号)にあたるかが問題になる、と法律事務所は説明しています。どの程度の言動なら認められるかは、言動の内容や続いた期間などによって変わり、一律の基準はありません。
  • 慰謝料として:故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した人は、損害を賠償する責任を負い(民法第709条)、財産以外の損害、つまり精神的な苦痛についても賠償の対象になります(第710条)。モラハラについて慰謝料を求めるときは、この「不法行為」にあたるかが問われます。
  • DV の相談・保護の場面で:上の節のとおり、精神的な暴力も、配偶者暴力防止法の「配偶者からの暴力」に含まれうるものとして、相談の対象になります。

補足:2026年4月1日に施行された民法の改正で、離婚の原因を定めた第770条から「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」が削られ、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」は第5号から第4号になりました。改正前に書かれた解説では「5号」と書かれていることがあります。

また、不法行為による損害賠償の請求には期限があり、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年で、時効によって消えるとされています(民法第724条)。いつから数えるかは事情によるため、早めに相談してください。

証拠が必要になるのは、どんなときか

  • 相手が離婚に合意するなら、理由の証明は求められません。夫婦の話し合い(協議離婚)や家庭裁判所の調停は、合意で離婚する手続です。法律事務所の解説でも、モラハラのはっきりした証拠がなくても、相手が離婚に応じれば離婚できると説明されています。
  • 相手が離婚を拒み、モラハラを否定したときに、証拠が必要になります。裁判で離婚を認めてもらうには、離婚の原因があることを、求める側が示す必要があります。慰謝料も、相手が支払いを拒めば、モラハラがあったことを示して裁判所に認めてもらう必要があります。
  • モラハラは、証拠が残りにくい被害です。言葉や態度によるもので目に見えにくく、家庭という密室で起きることが多く、本人が被害だと気づくまでに時間がかかることもある、と法律事務所は説明しています。

だからこそ、1つの決定的な証拠を探すより、日々の記録を積み重ねることが大切です。日記だけ、録音だけでは足りなくても、複数の記録が同じ出来事を指していれば、互いに信用を補い合います。

モラハラの証拠になるもの

法律事務所の解説で、モラハラの証拠としてよく挙げられるのは次のものです。

  • 暴言や威圧的な内容の LINE・メール・SNS のメッセージ
  • 自分が加わっている会話の 録音・録画
  • 出来事を記録した 日記・メモ
  • 壊された物や、けがの 写真
  • 心療内科・精神科などの 診断書・通院の記録
  • 配偶者暴力相談支援センターや警察などへの 相談の記録
  • 家族や友人など、まわりの人の話

証拠の種類ごとの残し方と注意点

モラハラの証拠の種類と、残し方・注意点(一般論)
証拠の種類残し方注意点
LINE・メール・SNS のメッセージ日付・時刻・相手の表示名が入った画面全体を、前後の流れごと続けて撮る。相手のプロフィール画面も撮る。トーク履歴をテキストでも保存し、定期的にバックアップする相手が送信を取り消すと、自分の画面からも消える。切り取らずに残す。相手の端末やアカウントは見ない
録音・録画自分が加わっている会話を、前後を含めて一部始終残す。元のファイルは編集せずに保存し、日時と場面をメモする自分がいない場所の会話を録る(盗聴)のは避ける。挑発して暴言を引き出さない。人に聞かせたり広めたりしない
日記・メモその日のうちに、日時・場所・言われた言葉・されたことを具体的に。1冊のノートに消えないペンで、余白をあけずに続けて書く後からまとめて書いたものは信用されにくい。書き直さない。日記だけで示すのは難しく、ほかの記録と合わせる
写真壊された物、投げつけられて傷んだ壁や家具などを撮る。けがは、誰のけがかわかるように撮る。元のファイルを残すけがをさせられているなら、身体的な暴力でもある。安全を優先し、受診と相談を
診断書・通院の記録心身の不調があれば、心療内科や精神科などを受診し、家庭での状況を医師に正直に伝える。診察券や領収書も残す原因まで診断書に書いてもらえるかは、医師の判断による
公的な窓口への相談の記録配偶者暴力相談支援センターや警察に相談する。相談した日と窓口の名前をメモする記録は、個人情報の開示の請求で取り寄せられる場合がある。手続や開示の範囲は窓口に確認する
まわりの人の話目撃した人や、当時相談した人の話を書き留める証言だけでは重みが小さいとされることが多い。ほかの記録と合わせる

この表は、法律事務所の解説をもとにした一般的な傾向です。実際にどう評価されるかは、事案ごとに異なります。

LINE・メールの残し方

LINE やメールのメッセージは、相手自身が書いた言葉であることを後から確かめやすいため、重要な証拠になると法律事務所は説明しています。残し方の基本は、浮気・不貞の LINE と同じです。

  1. 画面全体のスクショを、続けて撮る。日付の区切り、各メッセージの時刻、相手の表示名が入るようにし、前後を少しずつ重ねながら撮ります。暴言の1通だけでなく、何がきっかけで、どう続いたのかがわかる範囲を残します。
  2. 相手のプロフィール画面も撮る。誰とのトークかを示す材料になります。
  3. トーク履歴をテキストでも保存する。LINE の[設定]→[トーク履歴を送信]で、テキスト形式(.txt)で保存できます。保存されるのは、今表示されている範囲だけで、このテキストからトークを復元することはできません。テキストは書き換えられるため、スクショと両方を残します。
  4. 届いたらすぐ残す。相手が送信を取り消すと、受け取った側の画面からも消えます。取り消せるのは送ってから一定の時間内なので、気になるメッセージは届いたときに保存してください。
  5. 元のトークと端末を残す。トークルームの削除や端末の初期化はしないでください。

撮り方の詳しい手順や、消えたときの考え方は、浮気・不貞の証拠はLINEだけで足りる?の「何を保存すればいいか」と、スクショは証拠になる?の「LINE のトークを残すには」で解説しています。

保存した証拠の置き場所にも気をつけてください。相手と共有している端末、写真のアルバム、クラウドのアカウントに置くと、相手に見られたり消されたりするおそれがあります。相手が触れられない場所にコピーを残し、どこに保存したかを書き留めておきましょう。

録音するときの注意

録音は、相手の言葉や声の調子がそのまま残るため、モラハラを示すうえで重要性の高い証拠だと法律事務所は説明しています。

  • 相手に断らずに録った録音でも、証拠として使えることが多いとされています。民事の裁判では、証拠として出せる範囲が広く認められているためです。ベリーベスト法律事務所は、DV やモラハラの場面の音声は、相手の承諾がなくても証拠として認められやすいと説明しています。
  • ただし、例外があります。盗聴や盗撮のような方法で集めた録音や、集め方で侵害される権利が重大な場合は、証拠として使えないことがあると説明されています。自分がいない場所に録音機を置いて相手の会話を録るのは避けてください。
  • 前後を含めて録る。暴言の部分だけを録っても、前後の状況がわからないと評価しにくくなります。会話の一部始終がわかるように残します。
  • 引き出さない。有利な発言を引き出そうと、自分から暴言や脅しをぶつけるのはやめましょう。
  • 元のファイルを編集しない。切り取りや加工をしたものではなく、録音したままのファイルを残し、いつ・どこで・どんな場面かをメモしておきます。
  • 人に聞かせたり、広めたりしない。必要な範囲を超えて第三者に開示しないよう、法律事務所は注意を呼びかけています。

録音が相手に見つかると、危険が増すことがあります。暴力のおそれがあるときは、録音より安全を優先してください。

日記・メモの書き方

モラハラは家庭の中で起きることが多く、録音やメッセージが残っていない出来事もあります。日記やメモは、そうした出来事を記録する手段として、証拠になりうるものです。ただし、自分で書いたものなので、「後から都合よく書いたのでは」と言われやすい弱点もあります。法律事務所の解説では、信用されやすい日記の書き方として、次の点が挙げられています。

  • 出来事があったら、その日のうちに書く。出来事に近い時点で書かれた記録ほど信用されます。後から過去の出来事をまとめて書いたものは、信用されにくくなります。
  • 具体的に書く。日時、場所、その場にいた人、言われた言葉(できるだけそのまま)、されたこと、前後の状況を書きます。「ひどいことを言われた」ではなく、何と言われたかを書きます。
  • 事実を中心に書く。気持ちだけを書いた記述は、証拠としての重みが小さいとされています。体調の変化(眠れない、受診した)など、起きたこととして書けることは書いておきましょう。
  • 1冊のノートに、消えないペンで書く。ルーズリーフや後から書き換えられるアプリは、改ざんを疑われやすいとして、一冊もののノートに、鉛筆ではなくボールペンで書くことを勧める法律事務所があります。
  • 余白をあけずに続けて書く。後から書き足したと疑われにくくなります。間違えても、塗りつぶしたりページを破いたりしないでください。
  • 続ける。期間に決まりはありませんが、長さより、続けて書かれていることが大切だとされています。
  • ほかの記録と食い違わないようにする。日記だけで示すのは容易ではなく、録音・診断書・メッセージなどと組み合わせることが大切です。日記に「写真あり」「録音あり」と書いておくと、記録同士を結びつけやすくなります。

書き方の例

10月3日(金)21時ごろ 自宅の居間(子どもも同じ部屋にいた)
夕食の味付けについて、夫が「こんなものしか作れないのか」「誰のおかげで暮らせていると思っている」と大声で言い、皿を流しに投げつけた。皿が1枚割れた(写真あり)。その後、話しかけても2時間ほど返事がなかった。夜、なかなか眠れなかった。

※ この例は、書き方を示すための架空のものです。

「その時点で書いていた」と示すには

日記は、書いた日付を自分で書き込めるため、「後からまとめて書いた」「書き足した」と言われることがあります。これに備えるには、書いたページが、遅くともいつの時点で存在したかを、自分の手元の外に残しておく方法があります。

  • ページを写真に撮り、その日のうちに信頼できる人に送る。送った記録は、相手の端末やサービスの側にも残ります。
  • 写真のファイルをタイムスタンプで固定する。第三者のタイムスタンプを付けると、「遅くともその時刻に、そのページの写真が存在し、以後変わっていない」ことを示せます。

どちらも示せるのは「遅くともその時点で、そのページがあった」ことです。日記に書かれた内容が本当だったことや、書かれた日付どおりの日に書いたことまでは示せません。固定するまでの間が空くほど、「その間に書いた」という疑いに答えにくくなるため、書いたらできるだけ早く残すのが基本です。この「遅くとも」という考え方は、写真の日付を証明するには?の「遅くとも」と「早くとも」で詳しく解説しています。

診断書・相談の記録・まわりの人の話

  • 診断書・通院の記録:モラハラが原因で心身の不調が出ている場合、心療内科や精神科などの診断書や通院の記録は、不調があったことを示す材料になります。法律事務所の解説では、適応障害などの診断を受けたときは、家庭での状況を医師に伝えることが勧められています。ただし、何を診断書に書くかは医師が判断します。けががある場合は、受診のときに、誰から何をされたかを正直に話しておくことが大切だとされています。
  • 公的な窓口への相談の記録:配偶者暴力相談支援センターや警察に相談すると、相談の記録が残ります。こうした記録は、自分の個人情報として開示を請求すれば入手できると説明する法律事務所があります(手続や開示の範囲は、相談した窓口に確認してください)。ただし、相談の記録はあなたの話をもとにしたものなので、それだけで十分とはいえず、ほかの記録と合わせることが大切だとされています。また、裁判所に保護命令を申し立てるときは、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談したかどうかと、その日時・内容などを申立書に書くことになっています(配偶者暴力防止法第12条)。早めに相談しておくことは、安全のためだけでなく、後の手続のためにも意味があります。
  • まわりの人の話:家族や友人の証言は、記憶の正確さなどの点で、それだけでは重みが小さいとされることが多いようです。目撃した人がいれば、いつ何を見たかを書き留めておき、ほかの記録と合わせてください。

証拠がない・少ないときにできること

「今までのことは何も残っていない」という人も多いはずです。それでも、できることはあります。

  • 今日から残し始める。証拠は、これからの分を積み重ねることもできます。次に何かあったら、その日のうちに日記に書き、メッセージは画面全体を保存し、不調があれば受診してください。
  • 相手が合意すれば、証拠がなくても離婚はできます。協議離婚や調停離婚は、話し合いで合意する手続です。
  • 調停は、話し合いの手続です。家庭裁判所の夫婦関係調整調停(離婚)は、話し合いがまとまらないときや話し合いができないときに使える手続で、離婚のほか、親権、養育費、財産分与、慰謝料なども一緒に話し合えます。裁判所によると、調停委員会は、話しやすいように双方から個別に話を聞くこともあります。
  • 相手と顔を合わせたくない・住所を知られたくないとき。裁判所は、DV の被害を受けていたなどの事情に応じて、ウェブ会議を使うなどして当事者同士が裁判所の中で顔を合わせないよう工夫しながら調停を進めることも少なくない、と案内しています。不安があれば、申し立てる家庭裁判所に相談してください。現住所を知られたくない場合は、住所の非開示の申出ができます。
  • 別居中の生活費を求める。夫婦は、資産や収入などの事情を考えて、婚姻から生じる費用を分担するとされています(民法第760条)。別居中の生活費(婚姻費用)の分担について話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の「婚姻費用の分担請求調停」を利用できます。調停が成立しなければ審判の手続に移り、裁判官が判断します。
  • 別居の期間が考慮されることもあります。別居が長く続いたこと自体が、婚姻関係が続けられない事情として考慮されうると説明する法律事務所もあります。どのくらいの期間が必要かは事案によるため、弁護士に相談してください。別居するときに暴力のおそれがある場合は、先に配偶者暴力相談支援センターなどに相談してください。
  • 証拠がないと難しくなることも知っておく。相手が離婚を拒んで裁判になったり、慰謝料の支払いを拒まれたりした場合は、モラハラがあったことを示せないと、認めてもらうのが難しくなります。手元の記録で足りるか、何を足せばよいかは、弁護士に見てもらうのが確実です。

やってはいけないこと

  • 相手のスマートフォンを無断で見る、相手の ID やパスワードでログインする。他人の ID やパスワードを無断で使ってログインすることは、不正アクセス禁止法で禁止されていて(第3条)、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(第11条)。夫婦の間でも例外ではありません。詳しくは浮気・不貞の証拠はLINEだけで足りる?の「集め方に注意」をご覧ください。
  • 自分がいない場所に録音機やアプリを仕掛ける。盗聴のような方法で集めた録音は、証拠として使えなかったり、責任を問われたりするおそれがあります。
  • 危険を感じる状況で、問い詰めたり、証拠を突きつけたりする。相手を刺激して、危険が増すことがあります。
  • 挑発して暴言を引き出す。自分の言動も記録に残ります。
  • SNS に書き込む、相手の職場や知人に知らせる、録音を人に聞かせる。名誉毀損やプライバシーの侵害などの問題になるおそれがあります。
  • スクショや録音を書き換える、都合のよい部分だけを切り取って出す。記録全体が信用されなくなるおそれがあります。見せるために切り取るのはコピーに対して行い、元のファイルは残してください。

PEA でできること・できないこと

PEA は、画像を性質の異なる8つの解析で調べ、AI による生成・加工の手がかりを1〜10のグレードで示す画像鑑定サービスです。モラハラがあったかどうかを判断するものではありません。モラハラの証拠のうち、画像(LINE やメールのスクショ、壊された物の写真、日記のページの写真など)について、次のことができます。

  • 無料の鑑定(1日1件)で、グレードと判定の要約がわかります。
  • スクショにトークを特定する表示がそろっているかを示します。画面のスクリーンショットかどうかを判定し、送信の日時、送信者のアカウント名や ID、画面全体を保存したか、前後のやりとりが写っているか、切り取りの形跡がないかを一覧で示します。証拠として出す前に、欠けている表示がないかを確かめられます。
  • AI で作られた画像か、加工の手がかりがあるかを判定します。
  • 痕跡が見つからなくても、「メッセージが実在した」とは言いません。画面の表示を書き換えてから保存すると、画像には加工の痕跡が残りません。そのため、痕跡が見つからないスクショはグレード6(改変の兆候なし)までとし、画面に表示された内容が実在したかは対象外であることを鑑定書に明記します。
  • 根拠を示せない画像には、グレードを付けません。スマートフォンの画面を別のカメラで撮り直したことがはっきりしている画像や、強い圧縮で判断の材料が残っていない画像などは「判定外(Grade -)」とし、有人鑑定をご案内します。
  • その時点のファイルの状態を固定できます。鑑定すると、ファイルのハッシュ値と鑑定の内容に、電子署名と第三者のタイムスタンプ(RFC 3161)が付きます(タイムスタンプの時刻は、鑑定した時点です)。7日以内に鑑定書(1件¥1,000)にすると、弁護士などの第三者が、照合のページで証明書番号を入力して、発行日時やファイルのハッシュ値、封印とタイムスタンプを確かめられます。日記のページの写真なら、「遅くとも鑑定した時点で、そのページの写真が存在し、以後変わっていない」ことを示す材料になります。料金は料金のページをご覧ください。
  • 対象は画像(JPEG・PNG・HEIC、25MBまで)です。録音や動画は鑑定できません。録音のファイルは、元のまま保存しておいてください。
  • 画像は、ご本人だけが見られる設定で保存します。運営者は画像を見ません。担当者が画像を確認するのは、有人鑑定をご依頼いただき、開示に同意された場合だけです。鑑定の一部では、外部の解析サービスに画像を送信します(送信先はプライバシーポリシーに記載しています)。
  • 相手に知られないように。相手と共有している端末やメールアドレスで使うと、利用したことを相手に知られるおそれがあります。
  • 裸や性的な写真が写った画像は、送らないでください。本人の同意のない他人の性的な画像の提出は、利用規約で禁止しています。

PEA は、メッセージが本当に送られたか、誰が送ったか、日記の内容が本当か、モラハラがあったかは確かめられません。それを示す材料は、元のトークや端末、ほかの記録など、画像の外にあります。鑑定書のタイムスタンプは、総務大臣の認定を受けたタイムスタンプではありません。鑑定書が調停や裁判で証拠として採用されることも保証できません。PEA の結果は判断材料の一つとして、元のデータと合わせて、弁護士と相談しながら使ってください。

相談先

  • 身の危険を感じるとき:緊急のときは110番。DV相談ナビ(#8008)で最寄りの配偶者暴力相談支援センターに、DV相談+(0120-279-889、24時間)で電話やチャットの相談ができます。緊急でない警察への相談は #9110 です。
  • DV の被害についての法律相談:法テラスの「DV等被害者法律相談援助」は、DV を受けている人、受けるおそれのある人なら、資力にかかわらず利用できる法律相談です(再被害の防止に関する内容が対象。資産が一定の基準を超える場合は相談料がかかります)。申込みは犯罪被害者支援ダイヤル 0120-079714(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)。
  • 離婚や慰謝料の法律相談:法テラスの無料法律相談(収入と資産が一定の基準以下などの条件あり)や、地域の弁護士会の法律相談センターを利用できます。法テラスの案内は、浮気・不貞の証拠はLINEだけで足りる?の「相談先」にもまとめています。
  • 調停の申立て方:裁判所のウェブサイトに、夫婦関係調整調停(離婚)や婚姻費用の分担請求調停の申立ての方法が掲載されています。くわしくは、申し立てる家庭裁判所に問い合わせてください。

よくある質問

モラハラの証拠になるものは何ですか?

暴言や威圧的な内容の LINE・メール、自分が加わっている会話の録音、出来事をその日のうちに書いた日記やメモ、壊された物やけがの写真、心療内科などの診断書や通院の記録、配偶者暴力相談支援センターや警察への相談の記録、目撃した人の話などです。モラハラは目に見えにくく、1つで決め手になることは多くないため、複数の記録を積み重ねることが大切です。手元の記録で足りるかは、弁護士に見てもらうのが確実です。

LINE は、モラハラの証拠になりますか?

なりえます。相手自身が書いた言葉であることを後から確かめやすいため、重要な証拠になると法律事務所は説明しています。暴言の1通だけでなく、日付・時刻・相手の表示名が入った画面全体を、前後の流れごと続けて撮り、相手のプロフィール画面も残してください。相手が送信を取り消すと自分の画面からも消えるので、届いたときに保存するのが確実です。相手のスマホを無断で見たり、相手の ID でログインしたりするのはやめましょう。

モラハラの日記は、どう書けばいいですか?

出来事があったその日のうちに、日時、場所、その場にいた人、言われた言葉(できるだけそのまま)、されたことを、事実を中心に具体的に書きます。1冊のノートに消えないペンで、余白をあけずに続けて書き、後から過去のことをまとめて書いたり、書き直したりしないことが勧められています。日記だけで示すのは難しいため、録音や診断書などと組み合わせてください。書いたページを写真に撮って早めに人に送ったり、タイムスタンプで固定したりすると、遅くともその時点でページがあったことを示せます。

証拠がなくても、離婚や慰謝料の請求はできますか?

相手が合意すれば、協議離婚や調停離婚で、証拠がなくても離婚できます。慰謝料も、相手が支払いに応じれば受け取れます。一方、相手が離婚を拒んで裁判になった場合や、慰謝料の支払いを拒まれた場合は、モラハラがあったことを示す必要があり、証拠がないと認めてもらうのは難しくなります。今日から記録を残し始め、どう進めるかは弁護士や法テラスに相談してください。

相手に黙って録音してもいいですか?

自分が加わっている会話を相手に断らずに録音したものでも、民事の手続では証拠として使えることが多いと法律事務所は説明しています。ただし、自分がいない場所に録音機を仕掛ける盗聴のような方法は、証拠として使えなかったり責任を問われたりするおそれがあります。挑発して暴言を引き出さない、録音を人に聞かせない、元のファイルを編集しないことにも注意してください。録音が見つかると危険が増すおそれがあるときは、安全を優先してください。

出典