目的別:加工・合成を見破るアプリ・サイトの一覧

2026年10月時点で、公式ページで内容を確かめられた主な道具です。料金や回数の上限は変わることがあるので、使う前に各サービスの案内を確認してください。

加工・合成を確かめる主な道具
目的道具料金画像の扱い
元の画像・使い回しを探すGoogle レンズ(iPhone・Android・Chrome)無料Google に送られる
元の画像・使い回しを探すTinEye(Web)非商用は無料(1日100回まで)結果を出したらすぐ削除(公式)
撮影情報を見るiPhone の「写真」、Google フォトの「概要」、Windows のプロパティ、Mac のプレビュー無料端末の中で表示
撮影情報を見るPEA の写真の撮影日時・位置情報の確認ツール無料・登録不要ブラウザの中だけで読み取り、送信しない
来歴の記録(C2PA)を見るContent Credentials の確認ページ(Adobe)、Google フォトの「作成方法」無料Adobe はファイルをアップロード・保存しないと説明
部分的な加工の痕跡を見るForensically(Web)無料画像はパソコンから出ない(公式)
部分的な加工の痕跡を見るFotoForensics(Web)公開版は無料公開版は画像が公開のアーカイブに入る
AI で作った画像かを見るHive、AI or Not、Illuminarty など無料枠あり(有料プランも)サーバーに送られる
Google の AI で作った画像かを見るGemini アプリ(SynthID)無料(ログインが必要)Google に送られる
動画を確かめるInVID-WeVerify(Chrome 拡張)無料一部の機能で提携先に送られる

それぞれの確認の考え方と手順は、写真・画像が加工されているか調べる方法で5つの確認として解説しています。この記事では、使う道具ごとの特徴と注意をまとめます。

元の画像を探す(Google レンズ・TinEye)

合成や使い回しを見抜くには、同じ画像や元になった画像がネット上に先にないかを探すのがもっとも有効です。

  • Google レンズ:iPhone・Android のアプリ、パソコンの Chrome(画像を右クリック →「Google レンズで検索」)で使えます。「この画像について」では、その画像がほかのサイトでどう使われてきたかや、メタデータを確認できます。
  • TinEye:検索結果を「古い順」や「もっとも変更された版」で並べ替えられます。ただし、表示される日付は TinEye が画像を見つけた日で、ネットに初めて出た日ではないと公式に書かれています。アップロードした画像は保存せず、結果を出したらすぐ削除すると説明しています。
  • Bing のビジュアル検索:Microsoft の画像検索です。使える範囲は端末や国・地域で異なると案内されています。

見つからなかったからといって、元の写真とは限りません。新しく作られた画像や、ネットに出ていない画像は見つかりません(詳しくは画像検索で出てこないプロフィール写真の見分け方)。フリマアプリの商品画像の使い回しや AI 画像の確かめ方は、メルカリの商品画像はAI?で解説しています。

撮影情報を見る(iPhone・Android・パソコン)

  • iPhone:「写真」アプリで写真を開き、上にスワイプするか ⓘ をタップすると、機種・日時・レンズ・撮影地が表示されます。
  • Android:Google フォトで写真を開き、その他アイコンから「概要」を表示します。
  • パソコン:Windows はファイルのプロパティの「詳細」タブ、Mac はプレビューのインスペクタで見られます。

撮影情報は、SNS やメッセージアプリで送ると消えることが多く、あとから書き換えることもできます。「編集ソフトの名前が記録されている」などは加工の手がかりになりますが、記録がないことは加工されていない証拠になりません。ファイルそのものに残っている記録は、PEA の確認ツールで、画像を送らずに確かめられます。

来歴の記録(C2PA)を確かめる

C2PA(コンテンツクレデンシャル)は、写真がどのカメラで撮られ、どう編集されたかを電子署名つきで記録する仕組みです。対応する機器やアプリで作られた画像なら、加工の有無を記録から確かめられます。

  • Content Credentials の確認ページ(Adobe):画像を選ぶと、来歴の記録を表示します。Adobe は、選んだファイルをアップロードも保存もしないと説明しています。
  • Google フォトの「作成方法」:Android・iOS の Google フォトで、「概要」の「作成方法」に「カメラ撮影のメディア」「AI ツールで編集」などの来歴が表示されます。Google は、この表示で本物か偽物かを判断することはできないとしています。Pixel 10 は、カメラで撮った JPEG にこの記録を付けます。
  • Apple のリファレンス画像:iPhone 18 Pro・Pro Max で使える任意の撮影モード(初期設定はオフ)で、センサーが署名した撮影データを「デジタルのネガ」として残し、写真と見比べて切り抜き・色の調整・生成 AI による編集が分かるようにするものです。

SNS に投稿された画像では、来歴の記録が消えていることが多いです。ある調査(Indicator、2025年10月)では、C2PA などの記録が付いた AI 生成のコンテンツ 516件のうち、SNS で AI のラベルが付いたのは169件でした。記録がないことは、加工されていないことの証拠になりません。

C2PA の仕組みはC2PA(コンテンツクレデンシャル)とはで詳しく解説しています。

部分的な加工の痕跡を見る(ELA など)

ELA(エラーレベル解析)は、JPEG を保存し直したときの圧縮のむらを色で示す方法です。一部だけ貼り付けたり描き換えたりした部分が、周りと違って見えることがあります。

  • Forensically:拡大鏡、クローン(同じ部分の複製)の検出、ELA、ノイズの解析、メタデータなどを無料で使えます。画像はパソコンから出ないと明記しています。サイト自身が「真偽は見分けられない」「ELA の結果は誤解を招きうる」と注意しています。
  • FotoForensics:ELA やメタデータ、JPEG の保存品質の推定ができます。サイト自身が「結論を出すものではない」と説明しています。無料の公開版は、投稿した画像が公開のアーカイブに入り、「プライバシーはない」と明記されています。人に見せたくない画像には使わないでください。

SNS などで保存し直された画像は、加工がなくても再保存の影響でむらが出るため、加工との区別が難しくなります。偽の書類を本物のカメラで撮り直した写真は、ELA では異常に見えません。

AI で作った画像かを判定するサービス

AI で作った画像(生成 AI 画像)かどうかを、AI の特徴から推定するサービスです。どれも「AI である可能性」を示すもので、断定はできません。

  • Hive:Web のデモと Chrome 拡張が無料で使え、AI で作られた可能性と、使われたと推定される生成モデルを表示します。
  • AI or Not:無料の回数枠があり、それ以上は有料プランです。
  • Illuminarty:無料で判定でき、画像のどの部分が AI かの特定などは有料プランです。
  • Gemini アプリ:画像をアップロードして「Google の AI で作られたものか」と尋ねると、Google の AI が入れる見えない透かし(SynthID)を確かめます。Google 以外の AI で作った画像は判定の対象外で、透かしが見つからなくても AI ではないとは言えません。

判定サービスは、本物を AI と判定することがあります。NewsGuard の検証(2026年5月)では、本物の報道写真とその加工版を5つのツールで判定したところ、本物を AI と誤判定した割合は全体で約13%(ツールによって0〜40%)で、45枚中35枚でツールの判定が分かれました。1つのサービスの数字だけで判断しないでください。

AI 画像の見分け方はAI画像の見分け方で詳しく解説しています。

美顔アプリで「盛った」写真は見破れる?

SNOW、BeautyPlus、Facetune、Meitu などの美顔アプリで肌をなめらかにしたり、目を大きくしたり、輪郭を細くしたりした写真を、確実に見破る一般向けの道具は見つかりませんでした。

  • Adobe とカリフォルニア大学バークレー校の研究(2019年)は、顔の形を変える加工の検出を扱っています。この研究では、微妙な変形を人が見抜けた割合は53.5%で、当てずっぽう(50%)とほとんど変わりませんでした。肌をなめらかにする加工は研究の対象外で、SNS で再圧縮された画像には通用しないとも書かれています。
  • Instagram などの Meta の「AI 情報」のラベルは、業界標準の記録や本人の申告をもとに付くもので、ふつうの美顔フィルターを表示する仕組みは公表されていません。

手がかりになるのは、次のような点です。

  • 背景の直線(壁の角、ドア、タイルの目地)が、顔や体の近くだけ曲がっている
  • 肌の質感が均一すぎて、毛穴や髪の生え際の細部が消えている
  • 複数の写真で、顔の輪郭や目の大きさが大きく違う

マッチングアプリの写真の見分け方は、マッチングアプリの写真は加工しすぎ?で詳しく解説しています。

「加工前に戻す」アプリで元に戻せる?

「加工前の写真に戻す」とうたうアプリがありますが、加工で失われた元の情報を取り戻すことはできません。たとえば「加工はがすくん」の開発者は、App Store の説明で「実際には元に戻すのではなく、元の状態を予測して加工を行うアプリ」と書いています。表示されるのは、アプリが予測して作った別の画像です。それを「加工前の本当の姿」として扱わないでください。

動画の加工・AI 生成を確かめる道具

  • InVID-WeVerify:ファクトチェッカーが使う無料の Chrome 拡張です。動画から代表的な場面(キーフレーム)を切り出し、複数の検索エンジンで画像検索できます。日本語の表示にも対応しています。一部の機能は記者や研究者などに限られます。
  • Gemini アプリ:動画も、Google の AI で作られたものかを確かめられます(Google の AI 以外は対象外)。

動画を一時停止して保存した画像では、元の動画の情報が残らないため、静止画の判定サービスでも判断が難しくなります。災害やクマ出没の動画の確かめ方は、地震・災害・クマ出没のフェイク画像の見分け方で解説しています。

画像を送る道具・送らない道具

人に見せたくない写真や、証拠になるかもしれない写真を調べるときは、画像がどこに送られ、いつまで保存されるかを先に確かめてください。

画像の扱い(各サービスの公式の説明による)
扱い道具
端末・ブラウザの中で処理iPhone の「写真」、Windows・Mac の標準機能、Forensically、PEA の確認ツール、Adobe の Content Credentials の確認(保存しないと説明)
サーバーに送られ、すぐ削除TinEye
サーバーに送られるGoogle レンズ、Bing、AI 判定サービス、Gemini
公開のアーカイブに入るFotoForensics の無料の公開版

PEA の鑑定では、画像を PEA のサーバーで解析し、解析の一部で外部の解析サービスに送ります(送信先はプライバシーポリシーに記載)。登録なしのお試しでは、画像と結果を保存しません。登録して鑑定した結果は、鑑定書にしなければ7日で削除します。

どの道具でも見破れない加工

LINE や SNS で送られた画像、スクリーンショット、縮小・切り抜きされた画像は、加工の痕跡がほとんど残っていないことがあります。この状態では、劣化した本物の写真と、跡を消した加工を区別できません。

どの道具で何も見つからなくても、「加工されていない」ではなく「判断の材料が足りない」と受け止めるのが正確です。可能なら、撮影したままの元のファイルを手に入れて調べ直してください。LINE で届いた写真に何が残っているかは送られてきた写真はいつ撮ったかわかる?で解説しています。

PEA でできること

  • 複数の確認をまとめた鑑定(登録なしで1回お試し、登録後は1日1件まで無料):PEA の鑑定は、撮影情報や来歴の記録、AI の特徴、画像の痕跡など性質の異なる解析を組み合わせ、確認できた事実と気になる所見を分けて示します。英語の画面はこちらです。
  • 判断できない画像は「判定外」:動画を一時停止して保存した画像、画面を撮り直した写真、強く圧縮された画像には、無理にグレードを付けません。
  • 鑑定書(1件¥1,000):ファイルのハッシュ値・電子署名・第三者のタイムスタンプで、鑑定した時点のファイルの状態を封印します。相手は証明書番号で照合できます。

よくある質問

写真の加工を見破るアプリはありますか?

目的によって使い分けます。元の画像や使い回しを探すならGoogleレンズ(iPhone・Android)、撮影情報を見るならiPhoneの「写真」やGoogle フォトの「概要」、来歴の記録を見るならGoogle フォトの「作成方法」が使えます。どれも加工を自動で断定するものではなく、手がかりを示す道具です。複数の確認を組み合わせてください。

無料で加工を見破るサイトは?

画像検索のTinEye(非商用は無料)、部分的な加工の痕跡を見るForensically(画像はパソコンから出ない)やFotoForensics、来歴の記録を見るContent Credentialsの確認ページ、AI画像の判定サービス(Hive、AI or Notなど)の無料枠があります。FotoForensicsの無料の公開版は、投稿した画像が公開のアーカイブに入るので、人に見せたくない画像には使わないでください。

美顔アプリで盛った写真は見破れますか?

確実に見破る一般向けの道具は見つかっていません。顔の形を変える加工を検出する研究はありますが、肌をなめらかにする加工やSNSで再圧縮された画像には通用しないとされています。背景の直線が顔の近くだけ曲がっていないか、複数の写真で顔が一致するかなど、目で見る手がかりと組み合わせて判断してください。

「加工前に戻す」アプリで元の写真に戻せますか?

戻せません。加工で失われた情報は取り戻せないためです。たとえば「加工はがすくん」の開発者は、実際には元に戻すのではなく、元の状態を予測して加工を行うアプリだと説明しています。表示されるのはアプリが予測して作った別の画像なので、加工前の本当の姿として扱わないでください。

判定サイトで「AI」と出たら、AIで作られたと決めていいですか?

決めないでください。判定サービスは本物をAIと判定することがあります。NewsGuardの検証(2026年5月)では、本物の報道写真をAIと誤判定した割合は全体で約13%で、45枚中35枚でツールの判定が分かれました。画像検索や撮影情報・来歴の確認と組み合わせ、1つのサービスの数字だけで判断しないことが大切です。

出典